今日僕は電信柱に出会った。
地面からニョキッと生えている電信柱に出会った。
寄り添うことは許されない。
仲よさそうに手を繋いでいるけど、とても寂しそうに見えた。何を思う。
自分が運んだ電力は自分の足元しか照らしてくれない。何を思う。
其処に立って。其処に立って何も思う。
僕は電信柱の一本一本にありがとうとお礼を言いたくなったが、なにせ数が多い。
すみません。と。ありがとう。と。コンクリートの分子構造。
寒かろうに、暑かろうに。
倒れたいのに足元しっかり固められて。
それでも手を取ってどうにか立ってる。
じじーぃ っと音鳴らして夜に怯えてる。
風が強い時にゃ
少しお休みなさい。